[ テーマ: 判例情報 ]
2007年5月29日14:26:49
今日の日経新聞によると、十全総合病院に勤務していた麻酔科の女性医師が自殺したのは「うつ病発症後に病院が適切な処置を怠ったため」として、病院に7600万円の損害賠償の支払いを命ずる判決が、大阪地裁であったそうです。
判決理由は「安全配慮義務」を怠ったと認定しています。前回このページで東京地裁の「過労自殺」の記事でふれましたが、労働安全衛生法第3条は「事業者の責務」として「安全配慮義務」を課しています。
通常の損害賠償は、相手側に「故意、過失」による「不法行為」が存在した場合に認められるのですが、「安全配慮義務」は「措置義務」で企業に労働者の安全や健康に配慮するよう求めています。適切な配慮をしたことを企業側が証明できない場合は損害を受けた側(労働者)の申したてを裁判所は認める、ということです。
同じ紙面に農相が「政治とカネ」問題を巡り自殺したとの記事があります。こちらは、説明責任を果たさず、自殺という解決?を選んでいますが、残念なことです。
今日のブログは、東京都社会保険労務士会千代田・中央支部の皆様にも、初めて配信いたしました。感想は下記へお願いします。
特定社会保険労務士 恩田和明
この記事へのコメント (1)
友部泰孝 2007年5月30日 19:02:06